神社
神社とは自然崇拝から始まったものです


日本人にとって神社は、生活の一部のようなもの
日本人は宗教を持たない民族と言われていますが、それは、神道には教典や具体的な教えがなく開祖もいないので、そのように思われているようです。
神道とは日本の宗教ですが、神道にはいくつか種類(宗派)があり、神社を中心に信仰されているのが神社神道と呼ばれるものです。
では、このような神社はどうして出来たのでしょう?
古(いにしえ)の人達は、山や岩、木といった特定の場所に神様が降りてこられたり、お宿りになっていると考えていた訳です。
そこを禁足の場所にして磐境(いわさか=岩石で囲んだ霊域)を作り、そこに神様が毎日降りるように日々熱心に拝むようになった、と。
これが神社の起源と言われています。
では、なぜ神社が必要なのかといいますと、これは私達人間のために造られたものです。
神社という建物があるお陰で神職や参拝者は、雨の日でも雪の日でも風が強くても、いつでもお祭りや祈願が出来るようになったわけです。
便宜的に造られたものなんですね。
そもそも神様には肉体がないわけですから、私達、肉の宮を持つ人間と違って雨が降っても雪が降っても、また、暑かろうが寒かろうが関係ないわけなんです。
また、お金なんかも必要なく、お金とは神職の生活を守るため、神域や建物を守るために必要なので、お玉串というものがあるわけなんです。
神様が受け取るのは、私達が出したお金(玉串)に込められた真心です。
命の次に大切なお金をどういう気持ちで出してくれるか?そこを見ているんですね。
ですので、お金のない人の千円は輝いていますし、お金持ちの一万円は、100円の価値すらない場合もあります。
神仏に対するお玉串やお布施は、ちょっと自分の懐が痛いかな?くらいの金額を目安に、真心込めてさせていただくととても喜ばれます。
出来れば年の始まりや、ここぞという時(大切な願い事がある時)には、是非とも神主さんに祝詞を上げて頂く、正式な昇殿参拝をされることをお勧めいたします。
神社参拝の基本的な知識
神社とは神の社(やしろ)と書きますが、正確には神様の住む所ではなく、ご神霊が降りて来られる神域のことです。
そのためにはまず、神様がどういうお名前をした方なのか、どういう性格でどういう働きをされるのか?などということを、古事記や日本書紀などを読んで知っておくと良いでしょう。
難しい本ではなく、漫画で書かれた古事記などで充分ですのでお勧めです。
日本の神様とは基本的に、ヨーロッパの神様のように怖くて厳しい神様ではありません。
明るくて楽しいことが大好きで、ちょっとお茶目でユーモアがあって、何か親近感を感じるのが日本の神様です。
それは古事記などを読んで頂ければ分かるでしょう。
日本の神様=神道の神様というのは、とても大らかな日本民族のご先祖のような神様です。
ですので近寄りがたい神様ではなく、ご先祖様に接するような気持ちで神様に、誠を捧げると良いでしょう。
神社参拝にも大きく分けて二通りあります。
一つは、友達や恋人同士で気軽にする参拝、また、家族で行ったりする初詣。
近くにせっかく来たのだから、ちょっと寄って行くという参拝もあるでしょう。
もう一つは、切なる願い事を叶えて欲しい...という想いでする参拝や、七五三のような子供の成長に合わせて行く参拝、お宮参りなどもそうですね。
礼節をわきまえて、ちゃんとしていく参拝を正式昇殿参拝。
気軽な気持ちで行く参拝を、チャリンコ参りともいいます。
チャリンコ参りとは、お賽銭に小銭をちゃりんと一枚入れ、パンパンと手を合わせてすぐ終わる参拝のことをいいます。
では、正式参拝のしかたのマナーとはどのようなものなのでしょうか?
神社というのは鳥居から神域と言われてますが、神社の駐車場も立派な神域です。
電車や歩いて行くのならともかく、車で行く場合は駐車場に車を停めますが、できればお社がある森の方には車を後ろ向きに停めないようにしましょう。
車の排気ガスで、せっかくの神域を汚してしまいます。
神社によっては車の向きを指定している場合もありますが、基本的には前向きで停めるようにしましょう。
服装は男女とも、正装がよろしいでしょう。
チャリンコ参りならともかく、ジーパンや半ズボン、サンダル、ヒールなどは避けた方が無難です。
①鳥居をくぐる時は軽くお辞儀して、右側か左側を歩くようにしましょう。
参道の中央は正中(せいちゅう)といい、神様の通り道と言われています。
なるべく中央歩かないように、案内板などの指示に従って歩くようにしましょう。
②お願い事はお社の前だけではなく、鳥居をくぐった時からされるのがいいでしょう。
神社には神様だけではなく、神様の使い(家来)の御眷属の方々もいらっしゃって、皆さんの声も聞いています。ワイワイ、ガヤガヤするよりも、心静かに願い事を言うのがいいでしょう。
③本殿の手前には、手水舎があります。
お手水は、体を清める禊の役割を持つ大切なもので、伊勢神宮の場合、昔は橋もなく歩いて五十鈴川を渡り、自然に禊ができるようになっていたと言われています。
お手水にも作法がありますので、しっかりした作法で出来ると綺麗に見えますよ。
是非、作法を実践しましょう。
④神社には基本的に本殿というものがあり、その手前に、拝礼する拝殿という場所があります。
普通の場合はこちらで「二礼二拍手一礼」をしますが、出雲大社や宇佐八幡宮などでは「二礼四拍手一礼」の作法でしています。
⑤正式昇殿参拝をされる方は、社務所などで申し込みます。
お玉串は、自分にとってちょっと懐が痛いかな?くらいの金額でよろしいでしょう。
ほとんどの神社では、初穂料(玉串料)は5,000円からです。
せめて一年に一度は、自分が住んでいる地域の産土様(一宮)に参拝することをお勧めいたします。
*昇殿参拝をしない時でも畏まっていく場合は、拝殿で天津祝詞をあげ(他の人に聞こえないくらいの小声で)、住所と名前を言上すると良いでしょう。
ただし、他の人の迷惑にならないように、隅の方でお祈りいたしましょう。
☆天津祝詞(あまつのりと)
高天原に神留座す
(たかあまはらにかむづまります)
神魯伎神魯美の詔以て
(かむろぎかむろみのみこともちて)
皇御祖神伊邪那岐大神
(すめみおやかむいざなぎのおおかみ)
筑紫の日向の橘の小戸の
(つくしのひむかのたちばなのおどの)
阿波岐原に御禊祓へ
(あわぎがはらにみそぎはらへ)
給へし時に生坐る祓戸の大神等
(たまへしときにあれませるはらひどのおおかみたち)
諸々の枉事罪穢を
(もろもろのまがごとつみけがれを)
拂ひ賜へ清め賜へと
(はらひたまへきよめたまへと)
申す事の由を天津神國津神
(まをすことのよしをあまつかみくにつかみ)
八百萬の神等共に
(やほよろずのかみたちともに)
聞食せと恐み恐みも申す
(きこしめせとかしこみかしこみもまをす)


神様とはどういう存在
*菩薩とは?如来とは?神人とは?
心の世界があるレベルに達し、ある程度の悟りを開いた人を菩薩という(菩薩とは、悟りの境地を意味する言葉)。
菩薩の境地がいつ如何なる時でも変わらないという(愛を失わず、信仰心を維持し、人生観を狂わせない)境地に達することを如来という。
如来から上が、神々が住まれる神界という領域。
内面の境地だけではなく、神のような清浄な人が行く世界。
太宰府天満宮の菅原道真や明治神宮の明治陛下のように人間でありながら、内面が神の如くなると、その感覚や感性が如来界を超えて神界に上がっていく。このような方を神人という。
*日本の神様の名前の「大神」と「尊」と「命」の違いとは?
大神とは陰と陽・男神と女神を生み出していく自然界の働きを意味し、それを指す時には大神様と呼ぶ。
陰陽が結ばれて生まれた神様を、〇〇の尊様と呼ぶ。
〇〇の尊様と〇〇の尊様の間に生まれてきたのは命様。
神様から分魂をいただいているということで命様になります。
*氏神様と産土様(鎮守様)の違いとは?
その一族のご先祖が氏神様。家のご先祖様=神様という考え方が氏神の起こり。
それに対して産土様はテリトリーを掌握する神様で、例えば大阪=住吉大社、茨城=鹿島神宮など、その地域のテリトリーを形成している一之宮が産土様。
働きに関しては産土様のほうが日常生活に直結してるので、強くてはっきりしたおかげあります。
*神様の名前がいくつもあるのはなぜ?
神様の世界では役割がすなわちご神名なのです。役割とは働きのこと。場所と働きが変われば名前(呼び方)も変わる。
例えば田中さんという方が会社の役員で占い師をしている場合、家ではお父さんと呼ばれ、職場では専務、鑑定時には先生と呼ばれ、ご近所の人には田中さんと呼ばれる....役割が違うので、名前(呼ばれ方)が違う訳です。
出雲の大国主の神様には、大国主命(おおくにぬしのみこと)・葦原色許男命(あしはらしこおのみこと)・大己貴命(おおなむちのみこと)・大物主命(おおものぬしのみこと)・八千矛命(やちほこのみこと)・大国魂命(おおくにたまのみこと)・宇都志国玉命(うつしくにたまのみこと) など、7つの名前(ご神名)を持っています。
多くの名前があるということは、それだけ色々な働きが出来るということです。