気学

気学には九星気学や干支気学があります

人は皆、気の影響を受けています

気学とは、一言でいえば「気(エネルギー)」を扱う学問です

自然界(この世)に存在する目に見えない気=エネルギーを採ることにより運気を呼び込もうとする開運術としての側面と、持って生まれた運命の傾向などを観る、運命鑑定的な部分の両方に優れている学問です。

気学と言っても大きく分けると、九星気学(きゅうせいきがく)と干支気学(かんしきがく)があります。

九星気学の九星とは九種類
ですので、9年に一度は自分の星が巡ってきます。


一白水星(いっぱくすいせい)
水の象徴であり、健康運や部下運、子宝運、愛情運を表します

二黒土星(じこくどせい)  
大地の象徴であり、家庭運や仕事運(勤め運)を表します

三碧木星(さんぺきもくせい)
雷の象徴であり、才能や成功、発展運を表します

四緑木星(しろくもくせい) 
風の象徴であり、信用や評判、結婚運(縁談からの結婚)を表します

五黄土星(ごおうどせい)
原野の象徴であり、破壊や腐敗、再生を表します

六白金星(ろっぱくきんせい)
天の象徴であり、地位や独立、社会運、大きな金運を表します

七赤金星(しちせききんせい)
沢の象徴であり、恋愛・結婚運や小さな金運を表します

八白土星(はっぱくどせい)
山の象徴であり、蓄財運や不動産運、後継者運を表します

九紫火星(きゅうしかせい)
火の象徴であり、頭脳明晰、地位や名誉運を表します


気学の九星盤とは、奇門遁甲の九宮という部分を取り出し、陰陽五行、十干十二支、易経などの要素を取り入れ出来ています。大正時代に日本人によって創られましたが、比較的簡単に見ることが出来るため、日本では広まったように感じます。

自分の生まれた年を本命星といい、生まれた月を月命星、生まれた日を日命星として、9星で方位の吉凶を見たりするのが九星気学の特徴です。しかし本来、方位の吉凶とは九星の奥にある干支で見るもので、九星とは、方位の影響がどのように出てくるか?という象意をみるもの。ですので九星気学だけで方位を見ていると、干支が良ければ吉方位となって出て来ますが、悪ければ凶作用となって出て来ます。言い換えれば、当たり外れがあるということ。良い作用となって出てくることもありますが、外れることも大きいという事です。


それに比べて干支気学とは、九星と十干「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」(きのえ・きのと・ひのえ・ひのと・つちのえ・つちのと・かのえ・かのと・みずのえ・みずのと)、十二支「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」(ね・うし・とら・う・たつ・み・うま・ひつじ・さる・とり・いぬ・い)を結びつけたようなものです。

昔の暦には、九星と六十干支を融合し、180年を一括り(上元・中元・下元の60年ごと)として時代の流れなどを占っていたと言われています。ですので、こちらは180年で星が廻ってくるということです。それは、一白水星と言っても正確には、子年・卯年・午年・酉年の四種類あるからです。そして、子年には甲子・丙子・戊子・庚子・壬子の五種類があり、卯年には、乙卯・丁卯・己卯・辛卯・癸卯の五種類、午年には、甲午・丙午・戊午・庚午・壬午の五種類、酉年には、乙酉・丁酉・己酉・辛酉・癸酉の五種類

これらを全部合わせると一白水星だけで20種類あり、九星は九つあるので、9星×20種類=180通りになるということです。

ですので、干支気学と九星気学は同じ気学でも、違うものだと理解した方が良いと思います。

同会法・被同会法・傾斜観法で宿命の傾向がわかります

九星気学は方位の吉凶を見るというよりも、運気の流れを見たり、持って生まれたその人の特徴などを見ることに、とても長けています。(仕事運や恋愛・結婚運・健康運・人間関係等、どこの分野に恵まれていて、どこの部分が先天的に弱いのか、が分かります。あくまでも傾向としてですが...)

それは生年月日から創られた九星盤で、その人の内面性を見たり(傾斜観法)、吉神や凶殺と呼ばれる星が九星盤のどこにあるかで、宿命の傾向(長所・短所)などが分かるという訳です。また、年盤や月盤、日盤をそれぞれ重ねたりすることで、月運を見たり日運をみたりする(同会・被同会法)ことも出来ますので、運気の流れを知るには、とても有意義なものであることに違いはありません。

成功された経営者の方々は、「成功できた秘訣は?」と聞かれると、ほとんどの方々は「自分は運が良かった」というそうです。経営の神様と呼ばれた、故松下幸之助氏も生前、人を採用する時には運が良い人を採用したと言われています。それだけ運を味方につけることは大切だということですね。

方位学とは世界NO.1の開運法です

☆十干十二支氣学(じっかんじゅうにしきがく)

あまり聞いたことがない言葉かも知れません。
これは、占いの帝王とも呼ばれている四柱推命をもとに、方位学でいう吉方位を採ることで、幸せと感じられる幸運を引き寄せる開運法です。(吉方位とは、ある時期にある方角に動くことで、幸運の源となる運気を採り入れることが出来る開運法のことです)

さらに詳しく説明すると...

中国発祥の叡智に中国五術というものがありますが、これは「命・卜・相・医・山」(めい・ぼく・そう・い・ざん)というもので、「命・卜・相」は占術=占いの分野(本来は学問として学ばれていたもの)として使われています。

命=宿命や運命を見る分野
卜=人が関わる事柄の吉凶を見る分野
相=表に現われた相を見る分野
医=鍼灸や漢方を指す(体の不調を調える)
山=気功・薬膳・食事療法・呼吸法などを指す

この中でも一番大切なのは『命』と言われています。
先ずは、『自分自身のことを知りなさい』ということでしょう。

当たり前のことですが、人がこの世に生を受けた瞬間を誕生日といいます。命術とは、生年月日時と出生地からその人の宿命を観る占術であり、これにあたるのが四柱推命や紫微斗数(しびとすう)、インド占星術や西洋占星術といわれる占いです。その中でも占いの帝王と呼ばれる四柱推命は、その人が持って生まれた五行の気、すなわち木火土金水という気のエネルギーが分かります。五行のバランス図=命式には、どの分野のエネルギー(氣)が多くて、どの分野のエネルギー(氣)が少ないか、などが分かります。十干十二支氣学(じっかんじゅうにしきがく)では先ず、人の持って生まれた宿命を四柱推命で分析し、原命式を出します。その原命式に、10年ごとに巡る運気=大運と、1年ごとの運気=歳運を加味した五行バランスを観て、どこの気が多くてどこの気が少ないか?自分を表す星が強ければ、その気が流れるような気を採って弱めていき、自分を表す星が弱ければ、足りない気を方位の力で補い、命式のバランスを調整していきます。

四柱推命には用神(命式の要となる星)というものがありますが、十干十二支氣学では、いくつかある用神法の中で、扶抑法(パワーバランス法)や調候法(推命気温調整法)などで命式のバランスを整えていきます。一部外格と呼ばれる特殊命式がありますが、本人が望まない限り、人としての幸せが感じられる生き方(内格)にて、命式を調整していきます。たとえ巡り来る大運や歳運などでなかなか良い気が取れなくても、方位学を活用することで、その人にとっての必要な用神を意図的に採ることが出来るので、吉方位(その人にとっての良い干支を採ること)によって開運させることが出来るというわけです。

九星気学では主に、本命星という自分の星にとって吉になる九星の方位を採り、干支気学では主に、十二支を見て吉凶を判断します。十干十二支氣学では、自分にとって吉になる干支(かんし)を四柱推命で見極め、九星の象意(性質・現象)と易経の64卦との相性すべてを観ながら、吉方位を決めていきます。

何か難しい言葉で訳が分からないかも知れませんが、簡単に説明すれば、例えば...『火のエネルギーをたくさん持っていれば、それ以上、火のエネルギーを採ってしまったら良くないですよ』ということです(例外もあります)。九星気学や干支気学だけではその人にとっての中身の気(五行バランス)が分からないため、宿命運を観て、後天運を方位学で改善していくということです。また、四柱推命で命式を分析することによって、足りない気を「ラッキーアイテムやラッキーカラー・食べ物・場所や業種・行動」などで風水的に採り入れることも出来るのが特徴です。特に今まで、九星気学で吉方位を採られてきた方で、いま一つ吉方位効果を感じられない方や、逆に良くないことばかり起きてくる方、九星気学での方位採りに疑問を感じられてきている方は、一度、十干十二支氣学で観てもらうことをお勧めします。


☆方位でどうして運が良くなるの?

方位学とは、帝王学と言われてきた学問です。元々は中国より渡ってきた学問ですが、日本では、徳川家康が方位の力を活用して関ヶ原の戦いに挑んだり、江戸の街を風水都市にしたりしました。今では日本の一流企業のトップや、政治家、芸能人など...公には言いませんが皆一様に、方位の力というものを活用しています。

私達が住んでいるこの地球には、「氣」という目に見えないエネルギーが流れていて、それが私たち人間に影響を及ぼすわけです。東洋医学では、気の通り道のことを経絡(けいらく)と呼んでますが、その流れる気が滞った状態を病気と定義しています。気が滞っている=気が病んでいるから病気なんだ、と。
ではなぜ、気によって運が良くなったり、悪くなったりするのでしょうか?例えば、暖かいところで成長する熱帯植物などを、日本の北(寒い所)に持って来たらどうなるでしょうか?20度以上の暖かい部屋に置いておけば大丈夫でしょうが、暖かさを保たなければ元気がなくなり、寒くなればなるほど枯れて死んでしまうでしょう。それとは逆に、寒さに強い植物を、南の国の暖かい所に持っていったらどうなるでしょうか?もちろん暑さで枯れて死んでしまいますよね。このように私たち人間も生物の一部なので、目に見えない気にとても左右されるわけです。その人にとってのエネルギーが衰退する場所が方位学でいう凶方位です。そしてエネルギーが補充される所=吉方位という場所です。そこを選んで行って、良いエネルギーを体の中に吸収して、開運していこうというのが方位学の概念です。例えて言うならば、 バッテリーがなくなった電動バイクは止まって動かなくなりますが、充電してあげれば、モーターがバンバン動いて走るようになりますよね?バッテリーが弱くなっている状態が不調な時(衰運期)で、充電がマックスになっている状態が絶好調(幸運期)という訳です。

では、自分にとっての良い気(エネルギー)とは、どうすれば分かるのでしょうか?それは四柱推命で、その人の命式を観ると分かります。人が持って生まれた五行(木火土金水)の気のバランスを、増やしたり減らしたりと調整していくことでエネルギーが流れ、それによって開運していく(幸せを感じるようになる)ようになります。

方位学でよく知られている奇門遁甲(きもんとんこう)や金函玉鏡(きんかんぎょっきょう)、挨星法(あいせいほう)などは時間単位(時盤)で使う場合が多く、九星気学はどちらかと言うと、月や年単位(月盤・年盤)を使う場合が多いです。しかし、九星気学や干支気学だけではその人の五行のバランス(木火土金水)が分からないため、もともと多い気(エネルギー)を採ってしまうとさらに過剰となり、バランスを崩して衰運してしまうことになる訳です。ですので、宿命を観る四柱推命で観て、その人に最もふさわしい方位を観ることが大切になってくるわけです。


☆氣とはどんなもの?

気とは二種類あり、「天より受けたものと穀気とを合わせて身体を充たすもの」。東洋最古の医学書といわれている「黄帝内経」に、このように書かれています。天より受けたものとは大地や空気中から受けたもので、穀気とは食べ物から受ける氣のこと。 人から受ける氣や、芸術・書物などの作品から受ける氣などは、天より受ける氣の部類に入ります。

自然科学の一部門に物理学がありますが、その物理学の一分野に量子力学というものがあります。この量子力学の世界では、これ以上分解できない最小単位のものを「素粒子」という風に定義しています。すなわち、人間を含め、この世に存在する全てのものは「素粒子の塊(かたまり)」にすぎず、人間も素粒子の性質を持っている、ということが科学で分かってきたのです。この素粒子というのが別の言い方でいうと「気=氣」というものなのです。

東洋医学には漢方というものがありますが、漢方とは足りない五行や陰陽の「氣」を補うことで、身体の状態を良くしていく(五行バランスを良くしていく)という方法論です。元気・病気・陽気・人気・強気・活気・本気・精気・雰囲気・気が合う・気が楽・気を遣う・気にかける....気がつく漢字は色々ありますが、すべては目に見えない気・エネルギーが働いています。人間も違う言い方をすれば気で出来ているので、自然界に巡っている良い気(エネルギー)を採ることにより運の巡りも良くなって、開運していくということになるわけです。

方位の力は幸運を引き寄せますが、方位の力だけに頼って吉方位ばかりを採っているといずれ効果がなくなります。幸運というものは、タダで天から降ってくるわけではありません。自分自身が天に積んだ目に見えない善行=徳によって幸運が来るわけですので、私利私欲だけのために使っていると必ず報いがきます。ですので人間には、努力というものが必要になってくるわけです。ただ運を良くするためだけではなく、方位によって得た幸運を、人間的成長のためと社会の役に立つために使われると、さらなる幸運が巡ってくるでしょう。

運命とは決まったもの?

私達は生きる中で、色々なことを経験します。
楽しいことや嬉しいこと、辛いことや悲しいこと

初めてあったのに、恋に落ちていったり
好きな人と結婚できなかったり
大切な人を亡くしてしまったり

そんな時には何故か「運命だったんだよ...」
こんなことを言ってしまいます。

妙に説得力がありますよね。
まるで、ずっと昔から決まっているかのような、不思議な響き…
逃れられない未来を暗示するような、不思議な言葉
それが運命という言葉です。

では人は、運命通りに生きていくのでしょうか?
答えは「ノー」です。

確かに生まれた時には先天運といって、人の運命の7割程度は決まっています。四柱推命や紫微斗数、西洋占星術など命術を観る占いでは、それがある程度詳しく出て来ます。しかし残りの3割程度は決まってません。残りの3割の運命をどう変えていくかで、人生に大きく差が出るのです。

運命=宿命×先天的な環境×後天的な環境
運命にはこのような方程式があります。

人として生まれてきたことや
いついつに生まれたという生年月日
男性として生まれたか、女性として生まれたか?など
変えることが出来ないことを「宿命」といいます。

どこの国のどんな家系に生まれ、どんな両親のもとで、どんな家族がいて...これらも変えようがありません。生まれた時からある環境のことを「先天的な環境」といいます。さらに、育っていく時の環境もあります。両親からつけてもらった名前、両親の経済状態や教育、食生活、習い事、友人知人、また、趣味や思想や恋愛...など、これら成長していく過程での環境のことを「後天的な環境」といいます。よく双子の人は同じ運命なの?ってことが書かれていますが、後天的な環境を自分自身で選べるので、運命の傾向は似てますが、違った人生になるわけです。なぜなら私達人間には、他の生物では選べない自由意志を与えられているからです。ですので、宿命や先天的な環境は変えることは出来ませんが、後天的な環境は、全てではないにしろ変えることが出来るんです。

『未来は本人次第でいくらでも変えられるし、自分で選べる』ということですね。


そういう、運命は決まってないんだよ...いくらでも変えることが出来るんだよ...ということが書かれた有名な書物・陰騭録(いんしつろく)を紹介したいと思います。


袁了凡(えんのりょうぼん)は若い時、ある占いの翁(おきな)にことごとく自分の運命を言い当てられてしまい、人には決まった定めがあり、それはどうすることもできないという宿命観に陥った結果、煩悩や欲望を一切捨てて生きていました。そんなある日、雲谷禅師(うんこくぜんじ)と出会います。そんな袁了凡を見て雲谷禅師は感服していましたが、ある日「あなたはお歳が若いのに似合わず、非常にお出来になっておるようだが、どういう修行をされたのか」と問われます。
そこで袁了凡は、「別に修行なんてしておりませんが、少年のときに、これこれという次第で占いの翁に人相を観てもらって、いろいろと予言された。それが一つも狂わなかったので、それ以来余計な煩悩やあがきを一切止めました」と答えます。
それを聞いた雲谷禅師は「なんだ、そんなことか。それではまことに君はくだらぬ男だ」と吐き捨てて言うのです。
袁了凡がその理由を尋ねると、「人の運命が初めから定まっておるものなら、何故に釈迦や孔子が苦労したのか。偉大なる人が学問修養したのは、それによって人物を創ることができるからだ。運命というのは変えていくもの、創造していくものだ。確かに『命』というものは存在するが、人はその『命』を知り、『命』を立てることができる。自ら立てるもの。人間以外のほかの動物にはできないことを人はやることができる。即ち真の運命とは、命を知り(知命)、命を立てる(立命)ことである。人とはどういうものであり、いかにすればどうなるかということを研究し、それに従って自らを創造することができるところに万物の霊長たる意味がある。命は我より為すものである。今日ただ今より、新しい人生を生きよ。」と説かれたのです。

袁了凡は愕然として悟り、発奮して学問に励み修身勤しんだところ、占いの翁の予言したことは以降ことごとく外れた、という話しです。

~立命の書 陰騭録より学ぶより~